逆境に生きた青春 大海原への航海

色々なことに、けじめをつけて生きてきた。来る日も来る日も、なんでだろう?と思わない日は無かった。嵐の海、大時化の海を航海してきた。その日々が今、少しずつ終わろうとしている。もちろん、100%痛みが消えた訳ではなく、何かの拍子に傷が疼く時があるが、あの日々を思うと相当に良い。沢山の人に出会い、支えられて生きている。そしてこの手で、色々なものを生み出せる様になった。それが嬉しいのだ。誰も傷つけず、人を笑顔にする芸術の世界に出会った。力は奪う為につけるのではない。与える為につけるのだ。渚さんとの日々を過ごしている内、僕は穏やかな僕を取り戻してきた。平穏な日々がまた戻ってきた。いつかこの経験が誰かの為になる日が来るとしたら、嬉しく思う。「渚さん、僕はこれからも出来る事を増やして、生きていきたいと思います」「はい、私もますおさんのこれからを見届けていきたいと思っています。」鏡のような凪の海に、静かに夕陽が沈んでいった。

逆境に生きた青春 大海原への航海  完