第六感。

第六感…、釣り人を釣り人たらしめる、直感的、野性的とも言えるこの感覚。意外と馬鹿にならない。今日は行けそうな気がする…勿論、過去の経験からある程度、水量、天気、季節、等のデータを参考にして行くが、川を見た時にビビッと感じるあのポイントはいけそうだな?というものを感じる時がある。理論や経験とはまた別の感覚的なものに近い。過去を振り返ると、今日は全く川から生命感を感じないなと思いながら釣りをしている日や、今日はなんだか川や周りの自然がざわついているなと思いながら釣りをしている日、はたまた何も考えずに釣りをしている日もある。第六感が働く日は決まって、野生動物に遭遇したり、河畔林がなんとなくザワザワしていたりする。これは自分自身の心を外の世界に投影しているだけかもしれないが、まぁそう考えた方が面白いという、まるでツッコミどころ満載だけど、これがスパイ映画だよね的な感覚で釣りを楽しんでいるのかもしれない。しかし案外そんな日に、50センチを越す岩魚が釣れたり、40センチ近いヤマメのバイトがあったり、はたまたフックを折り切るモンスターと遭遇したりと、この感は馬鹿にできないから驚きだ。気がつけば、幼少の頃より川に囲まれた生活をしていたから、無意識の領域で川や魚達の動きを感知するセンサーが、僕に備わって来たのかもしれない。そう考えた方がより自信を持って釣りが出来る。フィーリングや感覚は目に見えるものではなく、あくまでも感覚的に身体全身で感じとるもの。言葉では説明が難しいけど、なんとなく胸騒ぎがする様な、居てもたっても居られないようなそんな感じだ。

第六感…縄文時代から現代までの人間の進化の過程において、切り捨てて来てしまった感なのかもしれないが、知恵を授かりし、我々人間も、所詮は動物でしかない。魚釣りを通して、そんな動物的な感、正しくは勘だがあえて感とする。来シーズンもこの感を頼りに、沢山の活動をして行きたいと思う。