釣りを思う。

釣り…高度に文明が発達する以前、我々人は食料を確保する為に、川や海に入り、魚を捕まえてきた。時は現代、スーパーで気軽に魚が買える様になった。生きている魚を見られる機会は、水族館か、はたまたつかみどり大会か…。昔に比べて、泳いでいる魚を見る機会はぐっと減ったのでは、ないだろうか。聴いた話、回転寿司のお寿司が海に泳いでいると、思っている子供が居るそうだ。なんともびっくり…。しかしながら、現代に生きていてもやはり我々は縄文の血をひく人なのだ。狩猟的本能を満たしたい欲求が、あるのだろう。レジャーとして、ファンは多い。上州屋、フィッシャーズ、などなど、街を歩けば、その手のお店を見る機会も多く、僕もその店の常連客と言っても過言ではない。どんなリールが発売されたかな??トラウトのルアーはどんなものがあるかな??ロッドも沢山あるな!余り海の釣りに興味がないので決まって、トラウトのコーナーしか見ないのだが…。色とりどりのルアーや、ロッド、銘木が使われたランディングネット等、心くすぐる品々に、目が奪われる。あれもこれも欲しくなるが、その中から、自分にあった道具を見つけると、お宝を発見した様ななんとも嬉しい気持ちになる。道具を揃えると、次は場所の思案。これでどんな魚と逢えるだろうか…、あの場所でこんな感じにこのルアーを泳がせたら、どんな喰いつき方をするかな…、なんて想像を巡らせるのがたまらなく楽しい瞬間で、なんというか、妄想癖がついてしまった笑 ひとしきり、妄想を楽しんだ後はいよいよ、自然の中に身を置き、1人川に向かい黙々とルアーを投げ続ける時間だ。河原に車を止め、川に降りる。水色、天気、水温、自然の雰囲気…、色々な情報が飛び込んできて、その日なりの答えを見つけていく。今は寒いから淵にじっとしている…暖かくなってきたから、瀬に移動し始めたか…、ルアーは地味なカラーで攻めるか…活性が高いから派手なものをギラギラ泳がせるか…。仮定を立て、試してみる。バチっとそれがハマると、やっぱりか!と言わんばかりに、思い通りに鱒が喰いついてくる。そんな時は滅多にないのだけど、経験を重ねると結構当たる様になってきて、自分の上達を感じる。近年はそこにルアー作りのアイデア構想や、自然の造形がもたらすインスピレーションが、絵の創作意欲に繋がったりと、かなりアップグレードした、より濃い時間になっている。また自然や生き物を思う慈悲の心を育て、優しい気持ちになれるのも、この時間だ。釣りを思う。創作と想像、豊かなフィールドに感謝して、今年も鱒釣りを思う存分楽しみたい🎣