遡上個体に見られる擬似銀毛について。サケ的生態を持つ彼らの素性に迫る。

 おはようございます☀年末年始が終わり みなさんいかがお過ごしでしょうか。筆者はというと、喫茶店に行ったり、洋服を買いに行ったりと穏やかな時間を過ごしていました。川に行けないというのが、中々悶々とするわけですが、絵を描いたり、文章を書いたりとインドア的趣味も増え、上手に時間を過ごしています👍 さて本日の記事は…鱒さんの遡上や居着、降海型のお話。

 岩魚さんやヤマメさん、彼らはサケの陸封型である、と言われています。サケが川を登った時、地球に氷河期が訪れます。親は遡上し、生涯を終え、そこで生まれる稚魚たちは、本来なら時間をかけて海に降り、また川に戻ってくる…。そんなサイクルを繰り返す筈…ですが川が氷に閉ざされ、海に向かうことが出来ない!さぁ困った困った。仕方ない、川で暮らすしかない…と適応したのが、渓流魚達です。詳しく分かっていない部分も多い為、どれが正解という事もないと思うのですが、筆者はこの説に納得しています。

 さて川に生息する岩魚やヤマメもざっくりと居着の個体と遡上の個体、その2種類に分ける事が出来ます。まず居着の個体とは、川の中を大きく移動せず、1箇所のポイントで小さな頃から大きくなるまで過ごす個体の事です。警戒心が強く、自らのテリトリーを遵守し、そこから出たがらない、人間でいうまるで僕みたいな時に引きこもる様なタイプ笑笑。その特性からパーマークや斑点を強く発色し、いかに日頃からカモフラージュして過ごしているかがよく分かります!

多分、居着の個体。小判形のパーマークを色濃く残しているぞ❣️

 さてお次は遡上する個体について。遡上個体は川の中を大きく移動し、下流にある大淵などを仮の海と見立てて、上流にある瀬とそこを行ったり来たりしている様な印象を受けます。捕食が活発なのか、ミノーへのアタックも比較的アグレッシブに、反応が良い気がします。そして今回注目したかったテーマ。彼ら擬似銀毛といい、海水には適応しないものの、彼らが持つ遺伝子が反応するのかなんなのか、海に降ったサクラマスの様な銀ピカボディになります。行動範囲も広い為、強い流れに鍛えられて背中が発達し、ムキムキな魚体が目を惹きます。

シマノ、ピンスポット50s。鮎カラーで瀬をしつこくしつこく泳がせたところ、ずどんっっっ!パーマークも薄く、さながら小さいサクラマス

 ヤマメ、サクラマス、岩魚、雨鱒、オショロコマ、ドリーバーデン、ヒメマス、紅鮭ブラウントラウト、シートラウト、虹鱒、スチールヘッド。色んな鱒さんが海に降るのは、やはり鮭の血を引いているからこそ。河川での縄張り争いに敗北した個体が、その何倍もの大きさになって帰ってくる鱒界のサクセスストーリー…。太古の記憶が本能を呼び覚ます。鮭として生きていた彼らにとって、狭い場所で汲々と過ごすよりも、大海で伸び伸び過ごす方が、居心地が良いのかもしれない。意を決して大海原に旅立つ彼らの姿に、勇気を貰ったのでした。

 僕も大人になればなるほど、保守的で人目を気にして、行動しない居着きの人間になっていました。小さな世界で群の中で窮屈な思いはしたくない…。川での争いに負けた鱒さんが海に降る姿に自分を重ね、鱒さん界の遡上個体の様な、行動力あふれる遡上人間でありたい。彼らの生き様に心からリスペクトしたい…。最高のメスと交尾…あ、いやいや口が滑った笑 遡上、居着、擬似銀毛から、色んな想いを貰ったお話でした⭐️

みんなビッグになるぞぞぞ!